士業事務所のAIO対策とは|税理士・弁護士・社労士・司法書士・行政書士で違うこと、進め方と費用(行政書士 塩野豪 監修)
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士業事務所のAIO対策とは何かを、行政書士 塩野豪の監修で解説。税理士・弁護士・社労士・司法書士・行政書士で違う依頼者の質問と広告の決まり、3か月の進め方、費用の見方、AIO対策の相談先を選ぶときに見る5つのところまでまとめました。
目次
士業事務所のAIO対策とは、依頼者が「相続に強い税理士は?」のようにChatGPTやGemini、Claudeなどへ尋ねたとき、AIの答えで自分の事務所が正しく紹介されるよう、事務所サイトや事務所の外の情報を整える取り組みです。
目指すのは、どの士業で、どの分野を、どの地域で、だれが担当するのかが、AIに伝わっている状態です。相談するなら、士業ごとに違う依頼者の質問と広告の決まりを理解している会社を選びましょう。
この記事では、依頼者がAIにする質問とAIが読む情報、士業ごとの違いと広告の決まり、3か月の進め方、費用の見方、相談先の選び方を順に説明します。
士業事務所のAIO対策とは
士業事務所のAIO対策は、依頼者の質問にAIが答える場面で、事務所を相談先の候補として正しく挙げてもらうための取り組みです。検索結果の順位を上げるSEOとは目指すところが違いますが、事務所サイトを整えるという土台は共通しています。
AIの答えに向けた対策は、AIOのほか、LLMO対策やGEO対策とも呼ばれます。呼び方が違うだけで、目指すことは変わりません。この記事では、まとめて「AIO」と呼びます。
AIO対策の意味
ChatGPTやGemini、Claudeといったサービスが質問に答える際に、事務所の名前や専門分野を正しく伝えられるよう情報を整えるのが、AIO対策です。
AIは質問を受けるとウェブ検索し、もとにしたページのリンクを答えに添えることがあります。このとき読まれるページに事務所の情報が正しく載っているかどうかが、対策の出発点になります。
ChatGPT はウェブを検索し、最新情報と関連する情報源へのリンクを使って質問に回答できます。
出典:OpenAI ヘルプセンター「ChatGPT でウェブを検索する」
士業事務所の場合は、次の4つがAIに伝わることが目標になります。
- どの士業か(税理士・弁護士・社労士・司法書士・行政書士など)
- どの分野を扱うか(相続・離婚・労務・登記・許認可など)
- どの地域で相談を受けるか
- だれが担当するか(専門家の名前と、所属会など)
SEOとの違い
SEOは、Googleなどの検索結果で事務所サイトを上位に出す取り組みです。AIO対策は、AIの答えの中で事務所が紹介されることを目指します。そのため、SEOで見るのは検索結果での順位、AIO対策で見るのはAIの答えに事務所の名前が挙がったか、どう紹介されたかです。
Googleは、AIによる概要やAIモードに載るための特別な最適化は要らないと説明しています。Googleのガイドでも、生成AIの検索に向けた最適化はSEOであることに変わりはないとしています。
AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。
出典:Google Search Central「AI 機能とウェブサイト」
一方で、OpenAIによると、ChatGPTはウェブを検索するとき、ほかの検索サービスと連携することがあり、いくつもの要素で検索結果に順位を付けています。そのため、検索の順位とAIの答えは分けて確かめましょう。
士業事務所で取り組む理由
依頼者が事務所を探す方法には、「地域名 税理士 相続」のような言葉で検索して事務所サイトを見比べるほかに、AIに相談先を聞く方法も加わりました。
ChatGPTなどのAIには、「父が亡くなって実家を相続する。相続税がかかるか相談したい」のように自分の状況をそのまま話して、相談先を聞くことができます。
士業は、専門分野と地域で選ばれる仕事です。AIが依頼者の状況に合う事務所を挙げるときも、専門分野と対応する地域が手がかりになります。AIの答えに名前が挙がるかを左右するのは、事務所サイトにこれらがはっきり書かれているかどうかです。
依頼者がAIにする質問とAIが読む情報
依頼者がAIに士業事務所のことを聞くときの質問には、いくつかの型があります。AIはその質問に答えるとき、事務所の公式サイトだけでなく、事務所の外にあるページも読みます。
ここでは、質問の型と、AIが読む情報の種類を説明したうえで、事務所サイトで伝えておきたい情報をまとめます。
依頼者がAIにする質問の型
依頼者がAIにする質問は、大きく分けると次の3つの型です。
- 分野で探す質問:「相続に強い税理士は?」「企業法務に強い弁護士事務所を教えて」
- 地域で探す質問:「近くで離婚の相談ができる弁護士は?」「横浜で建設業の許可に詳しい行政書士は?」
- 状況から相談先を聞く質問:「就業規則を見直したい。どこに相談すればいい?」「従業員が30人になった。社労士に頼んだほうがいい?」
実際の質問では、型が組み合わさることもあります。たとえば「大阪で、助成金の相談ができる社労士は?」は、地域と分野の両方で探す質問です。
状況から相談先を聞く質問では、依頼者が士業の名前を出すとは限りません。「父が亡くなった。何から手をつければいい?」のような質問から相談先を探す人もいるため、事務所サイトには、どんな状況の人の相談を受けるのかも書いておきましょう。
AIが答えるときに読む情報
AIは答えを作るとき、事務所の公式サイトのほか、比較記事や解説記事、士業のポータルサイト、士業会の会員検索などのページを読むことがあります。
ChatGPTがウェブを検索して答えるときは、参照したページが引用として示される場合があり、引用を選ぶとそのページを開けます。
ウェブ検索を使用した回答には、引用が含まれる場合があります。引用を選択すると、その情報源が開きます。
出典:OpenAI ヘルプセンター「ChatGPT でウェブを検索する」
AIの答えに出る参照元のリンクを見ると、どのページが読まれたかを確かめられます。自分の事務所のページが読まれているか、読まれていない場合はどんなページが読まれているかを見ておくと、どこを整えればよいかの手がかりになるでしょう。
事務所サイトで伝えておきたい情報
AIが事務所を紹介するときの手がかりになる情報として、事務所サイトには次のものを載せておいてください。
- 資格と所属する会
- 取り扱う分野と業務
- 対応する地域
- 担当する専門家のプロフィール
- 料金の目安
- よくある質問
あわせて、事務所名・所在地・電話番号の書き方を、公式サイト・ポータルサイト・士業会の登録情報でそろえておくことも大切です。どこを見ても同じ書き方になっていれば、同じ事務所の情報だと伝わります。
士業ごとのAIO対策の違い
税理士・弁護士・社労士・司法書士・行政書士では、依頼者がAIに聞くテーマも、事務所サイトで伝えたいことも違います。違いをまとめると、次のとおりです。
| 士業 | 依頼者がAIに聞くテーマの例 | 事務所サイトで伝えたいこと | 詳しいガイド |
|---|---|---|---|
| 税理士 | 相続税、事業承継、顧問税理士選び、創業や資金調達 | 対応する税目や業種、顧問料の目安、担当する税理士の名前と所属する税理士会 | 税理士事務所のAIO対策ガイド |
| 弁護士 | 離婚、相続、交通事故、労働問題、企業法務 | 取扱分野、相談料や着手金の目安、弁護士の氏名と所属弁護士会 | 弁護士・法律事務所のAIO対策ガイド |
| 社労士 | 就業規則、助成金、労務相談、ハラスメント対策、給与計算 | 対応する業務と顧問契約の範囲、報酬の基準 | 社労士事務所のAIO対策ガイド |
| 司法書士 | 不動産登記、相続、法人登記、供託手続き、成年後見 | 扱う登記などの手続きの種類と流れ、報酬額、登録免許税などの実費の目安 | ー |
| 行政書士 | 建設業などの許認可、在留資格(ビザ)、遺言や相続の書類づくり | 取り扱う手続きの種類と流れ、報酬額、手続きごとのよくある質問 | ー |
広告の決まりの違いは、次の「士業ごとの広告の決まり」で表にまとめます。
税理士事務所
税理士事務所について依頼者がAIにする質問には、「相続税の申告を頼める税理士は?」のような個人からのものも、「会社を作ったばかり。顧問税理士はどう選べばいい?」のような会社からのものもあります。
事務所サイトには、対応する税目や業種、顧問料の目安、担当する税理士の名前と所属する税理士会を示しましょう。日本税理士会連合会の会則は、会員が報酬額をはっきり示さないことなどを禁じているので、料金の示し方は決まりの面からも見ておくと安心です。
税理士会の会員は、税理士の業務において、不当勧誘、不当広告、報酬額の不明示等その他相手方等の利益を害するおそれがある行為をしてはならない。
詳しいことは、「税理士事務所のAIO対策ガイド」の記事で説明しています。
弁護士・法律事務所
弁護士・法律事務所について依頼者がAIに聞くテーマには、離婚、相続、交通事故、労働問題、企業法務などがあります。個人の悩みの相談と会社の法務の相談とでは、聞き方も事務所を選ぶ基準も違うため、取扱分野ごとにページを分けておくのがおすすめです。
事務所サイトには、取扱分野、相談料や着手金の目安、弁護士の氏名と所属弁護士会を示してください。日本弁護士連合会の規程は、弁護士の広告に氏名と所属弁護士会を表示することを定めています(第9条)。
弁護士は、広告中に次に掲げる事項を表示しなければならない。
一 氏名(職務上の氏名を使用している者については、職務上の氏名をいう。以下同じ。)
二 所属弁護士会
弁護士の広告の決まりは、表示できない事項や、第三者の広告への協力まで細かく定められています。詳しいことは、「弁護士・法律事務所のAIO対策ガイド」の記事で説明しています。
社労士事務所
社労士事務所の場合、AIに質問するのは主に会社の経営者や人事・労務の担当者です。「従業員30名ほどの会社に強い社労士は?」のように、会社の規模や状況を添えて聞かれることもあります。
事務所サイトには、対応する業務と顧問契約の範囲、報酬の基準を示すことが欠かせません。社会保険労務士法施行規則は、依頼を受ける前に、報酬額の算定の方法などの報酬の基準を示すことを定めています(第12条の10)。
社会保険労務士又は社会保険労務士法人は、それぞれ次の各号に掲げる事務を受任しようとする場合には、あらかじめ、依頼をしようとする者に対し、報酬額の算定の方法その他の報酬の基準を示さなければならない。
詳しいことは、「社労士事務所のAIO対策ガイド」の記事で説明しています。
司法書士事務所
司法書士事務所を探す依頼者がAIに聞くテーマは、不動産登記、相続、法人登記、供託手続き、成年後見などです。「親から相続した家の名義を変えたい。どこに頼めばいい?」のように、手続きの名前を出さずに今の状況から聞く人もいます。
事務所サイトでは、扱っている登記などの手続きの種類と流れ、報酬額を載せておくことが欠かせません。司法書士法施行規則は、依頼を引き受ける前に、報酬額の算定方法をはじめとする報酬の基準を示すよう求めています(第22条)。
司法書士は、法第三条第一項各号に掲げる事務を受任しようとする場合には、あらかじめ、依頼をしようとする者に対し、報酬額の算定の方法その他の報酬の基準を示さなければならない。
相続登記、会社の設立登記、役員変更の登記のように、手続きごとにページやよくある質問を分けておきましょう。必要な書類、登録免許税などの費用、終わるまでの期間をそれぞれ書いておけば、AIが依頼者の状況に合わせて答えるときの手がかりにもなります。
行政書士事務所
行政書士事務所について依頼者がAIに聞くテーマは、建設業などの許認可、在留資格(ビザ)、遺言や相続の書類づくりなどです。「建設業の許可を取るには、何から準備すればいい?」のように、手続きの流れや必要な書類を聞く質問もあります。
事務所サイトには、取り扱う手続きの種類と流れ、報酬額を示しておくことが大切です。行政書士法は、事務所の見やすい場所に報酬の額を掲示することを定めています(第10条の2)。
行政書士は、その事務所の見やすい場所に、その業務に関し受ける報酬の額を掲示しなければならない。
手続きごとに依頼者の疑問は分かれるため、建設業の許可、在留資格の申請、遺言書の作成など、手続きごとによくある質問を用意しておきましょう。かかる期間、費用、必要な書類のように、依頼者が最初に知りたいことに答えておくと、AIが答えるときの材料にもなります。
士業ごとの広告の決まり
AIO対策で作る記事・よくある質問・専門家のプロフィールも、事務所の広告にあたることがあります。そのため、それぞれの士業の広告の決まりに沿って書かなければなりません。
決まりの違いは、次の表で比べます。広告で使わないほうがよい表現と、その言い換え方は「士業の広告ルールに沿ったAIO対策」にまとめています。
この記事の監修者は行政書士で、行政書士として確かめられる範囲を監修しています。弁護士・税理士・社労士・司法書士の方は、所属する会で最終の確認をしてください。
士業ごとに違う決まり
士業ごとのおもな決まりは、次のとおりです。
| 士業 | おもな決まり | 禁止されている表示 | とくに気をつけること |
|---|---|---|---|
| 弁護士 | 日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」「業務広告に関する指針」 | 事実に合致しない広告、誤導・誤認のおそれのある広告、誇大な広告、ほかの事務所と比べた広告、訴訟の勝訴率の表示 | 顧問先・依頼者や、受任中・過去の事件を載せるのは、依頼者の書面などでの同意がある場合などに限られる。広告には氏名と所属弁護士会を表示する |
| 税理士 | 税理士法、日本税理士会連合会会則、所属する税理士会の綱紀規則と細則 | 不当勧誘、不当広告、報酬額の不明示など(日本税理士会連合会会則 第59条の2) | 税理士法には広告だけを定めた条文がなく、広告の詳しい定めは、所属する税理士会の綱紀規則と細則に置かれている |
| 社労士 | 社会保険労務士法、社会保険労務士法施行規則 | 重要な事項について、著しく事実に相違する表示や、実際より著しく優良・有利だと誤認させる表示(施行規則 第12条の11第2項) | 依頼を受ける前に、報酬の基準を示す(施行規則 第12条の10) |
| 司法書士 | 日本司法書士会連合会「司法書士行為規範」、司法書士法施行規則、所属する司法書士会の会則と規則 | 虚偽の事実を含む、誤認を生じさせるおそれのある、品位や信用を損なうおそれのある広告や宣伝(行為規範 第17条) | 依頼を受ける前に、報酬の基準を示す(施行規則 第22条) |
| 行政書士 | 日本行政書士会連合会「行政書士職務基本規則」、行政書士法 | 事実に合致しない、誤認・誤導のおそれのある、誇大な広告宣伝(職務基本規則 第17条) | ホームページやSNSでの広告宣伝も含まれる。事務所に報酬の額を掲示する(行政書士法 第10条の2) |
会員は、自己の業務について、本会の定めに反する場合を除き、広告することができる。
2 前項の広告に関し必要な事項は、細則で定める。
社会保険労務士又は社会保険労務士法人は、その業務について広告をするときは、重要事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
出典:e-Gov法令検索「社会保険労務士法施行規則」(最終改正 2026年2月26日公布、2026年10月1日施行)
AIO対策で作る記事・よくある質問・専門家のプロフィールは、表の自分の士業の行と照らして確かめましょう。「禁止されている表示」にあたる書き方がないか、「とくに気をつけること」が抜けていないかを見ます。
税理士と社労士の両方がいる事務所のように、1つのサイトで複数の士業の業務を紹介するときは、それぞれの士業の行と照らします。表はおもな決まりを短くまとめたものなので、公開する前に、表のリンクや出典に挙げた原文で最新の定めを確かめてください。
5つの士業に共通する決まり
どの士業も、景品表示法の対象になります。景品表示法は、サービスの内容を実際より著しく良く見せる表示や、料金などの取引の条件を実際より著しく有利に見せる表示を禁じています(第5条)。
消費者庁によると、2023年10月1日からは、広告であることを隠した広告(ステルスマーケティング)も、景品表示法の不当な表示として規制されています。事務所が頼んで書いてもらった口コミや紹介記事は、広告であることがわかるようにしましょう。
また、どの士業にも秘密を守る義務があります(弁護士職務基本規程 第23条、税理士法 第38条、社会保険労務士法 第21条、司法書士法 第24条、行政書士法 第12条)。事例を載せるときは、依頼者の同意を得るか、依頼者が特定されない書き方にしてください。
AIO対策で気をつけたい場面
AIO対策で、とくに広告の決まりに気をつけたいのは次の場面です。
- 事例や実績を載せるとき
- 「専門」「No.1」のような言葉を使うとき
- 比較記事やポータルサイトに載せてもらうとき
- 口コミや紹介を頼むとき
費用を払って第三者の記事に載せてもらうなど、事務所が内容に関わる場合は、広告であることがわかるようにする必要があります。
広告には、企業がインフルエンサー等の第三者に依頼・指示するものも含まれます。
出典:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
弁護士は、規程に反する第三者の情報発信に対して、お金を払ったり協力したりすることも禁じられています(弁護士等の業務広告に関する規程 第8条)。
士業事務所のAIO対策の進め方
士業事務所がAIO対策を始めるときは、3か月を1つの区切りにして、月ごとに進めるのがおすすめです。始める前に、何を測るかを決めておきましょう。
- 狙う質問で、AIの答えに事務所の名前が挙がった回数(何回聞いて何回出たか)
- AIが答えるときに読んでいたページ
- AIからのアクセスや問い合わせ
この3つを、始める前と3か月目とで比べて、続ける施策を決めます。
1か月目は現状を測る
まず、依頼者が聞きそうな質問を、分野と地域の組み合わせで決めてください。たとえば相続に力を入れる税理士事務所なら、「〇〇市で相続税の相談ができる税理士は?」「相続税の申告を頼むなら、どんな税理士を選べばいい?」のような質問です。
決めた質問は言い回しを変えずに、ChatGPTとGemini、Claudeへ何回か入力し、事務所の名前が挙がるか、どの事務所やページが読まれているかを記録します。AIの答えは聞くたびに変わるため、1回の結果ではなく、何回聞いて何回出たかで見るのがポイントです。
記録には、質問、AIの名前、聞いた日、名前が挙がったか、一緒に挙がった事務所、参照元のページを残しておきましょう。そうしておくと、3か月目に同じ条件で比べられます。
2か月目は事務所の情報を整える
1か月目の結果をもとに、事務所サイトの専門分野・対応業務・対応する地域・専門家のプロフィール・料金の目安・よくある質問を整えます。名前が挙がらなかった質問は、その質問に答えるページがサイトにあるかから見直してください。
あわせて、構造化データ(ページの内容を、検索エンジンが読み取れる決まった形式で書き添えたもの)を設定し、ポータルサイトや士業会の登録情報と、事務所名や所在地などの書き方をそろえます。構造化データの中身は、ページに表示されている文とそろえましょう。
構造化データをページに表示されるテキストと一致させます。
出典:Google Search Central「AI 機能とウェブサイト」
ページを直すときは、各士業の広告の決まりに沿っているかを確かめます。事例や実績を足すときは、この記事の「士業ごとの広告の決まり」で挙げた点を見直してから公開すると安心です。
3か月目は記事を足して測り直す
依頼者の質問に答える記事を足したり、今ある記事を直したりします。1か月目に名前が挙がらなかった質問や、ほかの事務所のページが読まれていた質問から優先して取り組みましょう。
そのうえで、1か月目と同じ質問・同じ回数で測り直し、名前が挙がった回数や、読まれたページの変化を見ます。AIからのアクセスや問い合わせの数もあわせて確かめてください。
その結果をもとに、次の3か月に続ける施策を決めます。名前が挙がるようになった質問は今の状態を保つ施策を、変化がなかった質問はページの中身や狙う質問そのものを見直す施策を考えるとよいでしょう。
士業事務所のAIO対策の費用
AIO対策を会社に頼むときの料金の形と考え方は、士業事務所でもほかの業種と変わりません。ここでは、料金の形と、費用の見方を説明します。
料金の相場は、「AIO対策の費用相場」で詳しく取り上げています。
料金の形
AIO対策の料金は、主に次の形に分かれます。
- 無料診断:今のAIの答えに事務所がどう出ているか、競合とどう違うかを、無料で調べてもらう
- スポットの契約:診断や分析だけを一度だけ頼む
- 伴走型:月額で、分析と改善、測り直しと報告を続けて頼む
- 記事制作まで含む契約:新しい記事づくりや今ある記事の手直しも、月額の範囲で頼む
どの形で頼めるかは、会社次第です。まず無料診断で今の状態を知り、そのうえで続けて頼むかを決める進め方もできます。
総額の見方
月額だけで比べると、最低契約期間が長い会社や初期費用がかかる会社では、払う額が思ったより大きくなることがあります。比べるときは、初期費用に最低契約期間分の月額を加えた「契約したら最低でも払う金額」で見てください。
たとえば、初期費用30万円で月額10万円、最低契約期間が12か月の会社なら、最低でも150万円を払います。初期費用なしで月額20万円、最低契約期間が3か月の会社なら、最低60万円です(説明のための例)。
あわせて、記事制作が料金に含まれるのか、別にかかるのかを確かめましょう。含まれる場合も、月に何本までか、今ある記事の直しも入るかは、プランによって違います。
AIO対策の相談先の選び方
士業事務所がAIO対策の相談先を選ぶときに見るところは、次の5つです。
- 士業の業務への理解
- 広告の決まりへの配慮
- 効果の測り方と報告
- 料金と最低契約期間
- 今の依頼先との連携
AIに相談先を聞いて候補を探す方法もありますが、AIの答えだけで決めず、各社の公式サイトでも中身を確かめてください。
2026年10月6日の計測で、フォワードXはAIO対策の会社を探す質問を110問(このうち士業向けが40問)用意し、ChatGPTとGemini、Claudeから5回分ずつ答えを集めました(計1,650回答)。
「士業に強いAIO対策会社のおすすめは?」という質問では、15回中9回、AIが士業のAIO対策の解説記事を読んでから答えていました。
士業別に相談先を比べるなら、税理士は「税理士事務所のAIO対策会社比較」、弁護士は「弁護士・法律事務所のAIO対策会社比較」、社労士は「社労士事務所のAIO対策会社比較」が参考になります。
士業の業務への理解
士業ごとの業務や、依頼者がどんな場面で相談するのかを理解したうえで、狙う質問を提案してくれるかを確かめましょう。たとえば同じ相続でも、税理士なら相続税の申告、弁護士なら遺産分割の争い、行政書士なら遺言書や相続の書類づくりと、依頼者が聞く中身は違います。
相談のときに、事務所が増やしたい分野を伝え、その分野で依頼者がAIにどう聞くかを具体的に挙げてもらうと、業務への理解を確かめられます。
広告の決まりへの配慮
記事やページの表現を、士業ごとの広告の決まりに照らして確かめてくれるかを見てください。とくに、事例の載せ方、「専門」「No.1」のような言葉の使い方、口コミや第三者の記事の扱いについて、どう考えているかを聞いておくとよいでしょう。
ただし、広告の決まりに沿っているかの最終の判断は、事務所と所属する会にあります。依頼先に任せきりにせず、公開する前に事務所でも確かめましょう。
効果の測り方と報告
どの質問を、どのAIに、何回聞いて測るのかを、契約の前に確かめます。あわせて、報告がどのくらいの間隔で届くのか、報告に何が入るのか(名前が挙がった回数、読まれたページ、AIからのアクセスなど)も聞いておきましょう。
公開されている事例は、対象の質問や期間、何と比べた数字かなどの条件とあわせて読むことが大切です。条件の書かれていない数字だけでは、自分の事務所に当てはめてよいかがわかりません。
料金と最低契約期間
料金の総額と最低契約期間、記事制作が含まれるかを確かめます。総額の見方は、この記事の「士業事務所のAIO対策の費用」で説明しています。
AIの答えはそれぞれのAIが決めるもので、表示を約束できるものではありません。表示を約束するかどうかではなく、何をどこまでしてくれるかで比べましょう。
今の依頼先との連携
今のSEO会社やWebサイトの制作会社と、役割を分けて進められるかを確かめます。ページを直す作業をだれが受け持つのかを先に決めておくと、進めるときに困りません。
サイトを作り替えずに始められるかも聞いておいてください。今の事務所サイトのページを直したり、ページを足したりする形で始められれば、費用と手間を抑えられます。
AIO対策を頼まなくてよいケース
AIO対策は、すべての士業事務所が会社に頼む必要があるものではありません。次の3つにあてはまる場合は、急いで頼まなくてもかまいません。
それぞれの場合に、自分でできることもあわせて挙げます。
今の依頼で手が足りている場合
紹介や顧問先からの依頼で、受けられる件数がいっぱいになっている場合は、新しい依頼者を増やす必要がないので、急いで頼まなくてかまいません。
そのような場合でも、AIが事務所について古い情報や間違った情報を答えていないかは、ときどき確かめておきましょう。事務所を移転したときや、取り扱う分野を変えたときは、とくに見ておきたいところです。
まず自分で現状を知りたい場合
依頼者が聞きそうな質問をいくつか用意し、ChatGPTやGemini、Claudeに何回か入力して、事務所の名前が挙がるか、どんなページが読まれているかを見てみてください。やり方は、この記事の「1か月目は現状を測る」と同じです。
あわせて、次のことは自分でも進められます。
- 士業会の登録情報を新しくする
- ポータルサイトの掲載情報を、事務所サイトとそろえる
- Googleビジネスプロフィールの所在地・電話番号・営業時間を新しくする
事務所サイトに基本の情報がない場合
事務所サイトに、取り扱う分野・料金・所在地などの基本の情報がまだない場合は、まずそれを載せることが先です。AIが事務所を紹介するときの手がかりがないままでは、対策を頼んでも進めにくいためです。
載せる情報は、この記事の「事務所サイトで伝えておきたい情報」で挙げたものを目安にします。基本の情報を載せてから、AIO対策を頼むかを考えても遅くはありません。
士業事務所のAIO対策ならフォワードX
ここでは、士業事務所のAIO対策の相談先として、フォワードXが行っている士業AIO支援を紹介します。フォワードXに頼むときの強みは、次の6つです。
代表が行政書士で、士業事務所の経営を知っている
フォワードXの代表の塩野豪は行政書士です。法人営業と広告・Webマーケティングの仕事を経験したのち、2016年に行政書士として開業し、外国人の在留資格・雇用支援を中心に士業実務に携わってきました。
2019年には行政書士法人フォワードを設立し、士業事務所の経営にも従事しています。
代表や関連法人が積み重ねてきた士業実務と事務所経営の経験は、フォワードXの士業向けAIO支援に活かされています。
弁護士・税理士・社労士の専門分野ごとに支援できる
士業AIO支援で対応している専門分野は、士業ごとに次のとおりです。
- 弁護士:企業法務、契約書、M&A、IPO、相続、離婚、労働問題、交通事故など
- 税理士:法人税務、相続、事業承継、節税、資金調達、財務改善、国際税務、創業支援など
- 社労士:労務相談、就業規則、人事評価、ハラスメント対策、助成金、給与計算、IPO労務など
同じ士業でも、事務所によって強みや増やしたい相談は違うため、事務所ごとの専門分野や顧客層に合わせて対策を設計します。そのほかの士業は、専門分野や相談内容を聞いたうえで、対応できるかと支援の中身を案内しています。
分析から記事制作・サイト改善まで任せられる
士業AIO支援の段階は、分析・戦略・制作と改善・測定の4つです。
- 分析:現状・競合の分析、プロンプト(依頼者がAIにする質問)の設計とSOV分析
- 戦略:コンテンツ戦略の設計
- 制作と改善:コンテンツの新規制作と既存コンテンツの改善、サイトの情報設計、FAQや構造化データなどの改善
- 測定:継続した測定と改善
SOV分析では、狙う質問へのAIの答えで、競合の事務所と比べて自分の事務所がどれだけ挙がっているかを見ます。記事の制作やサイトの手直しも引き受けるため、事務所の中に専任の担当者を置かなくても進められます。
今のSEO会社や制作会社と連携して進められる
すでにSEO会社に頼んでいる事務所でも、まず今の施策と役割分担を聞き、その取り組みを土台にしたAI検索対策を提案します。必要があれば、今の依頼先と協力して進めます。
制作会社を替える必要も、原則としてありません。今のサイトを見たうえで、制作会社に出す改善の提案をまとめ、実装をどちらが受け持つかも決めていきます。対応する範囲は、サイトの仕様と契約プランによって案内しています。
士業事務所での支援事例を公開している
事例・実績のページでは、士業事務所での支援事例を公開しています。企業法務と相続を扱う弁護士事務所の事例では、主要なキーワードのGoogle検索で1ページ目に表示されながら、ChatGPTなどでは事務所が推奨されていませんでした。
情報設計の見直しや一次情報のコンテンツづくりを進めた結果、施策開始時には0件だった特定の対象プロンプトでの推奨を、1か月後に獲得しています(施策は継続中)。
税理士法人(顧問先700件超)の採用の支援では、施策の前は15%だったAIによる引用率が、2か月で42%に上がりました。なお、AI検索での表示や推奨は保証していません。事例の数字は、その事務所の条件で出たものです。
初期費用0円、無料診断から始められる
0円の無料診断で受けられるのは、競合1社の分析、プロンプト分析、SOV分析、改善案の提示です。初期費用はかかりません。
料金は月額制で、ベーシックは15万円、プロフェッショナルは30万円です(いずれも税抜、1ブランドの料金)。最低契約期間は3か月からで、士業事務所でも料金は変わりません。
具体的な計画が決まる前でも、無料で相談できます。会社は東京・茅場町のBIZ SMART茅場町206(東京都中央区新川1-3-21)にあります。
士業事務所のAIO対策についてよくある質問
士業事務所のAIO対策について、よく聞かれる質問に短く答えます。それぞれの答えの詳しい説明は、本文の見出しとリンク先の記事にあります。
士業事務所のAI検索対策は、どこに相談すればいい?
士業の業務と広告の決まりを理解していて、効果の測り方と報告の中身を説明できる会社に相談しましょう。選び方は、この記事の「AIO対策の相談先の選び方」で説明しています。
相談先の比較記事は、税理士向けが「税理士事務所のAIO対策会社比較」、弁護士向けが「弁護士・法律事務所のAIO対策会社比較」、社労士向けが「社労士事務所のAIO対策会社比較」です。
士業に強いAIO対策会社は、どう見分ければいい?
まず、公式サイトで士業向けの支援を案内しているかを見てください。そのうえで、士業ごとの専門分野に合わせた質問の設計や、広告の決まりに沿った記事づくりまで対応しているかで見分けます。
AIO対策は自分でもできる?
できます。依頼者が聞きそうな質問をAIに聞いて現状を確かめることや、事務所サイトと登録情報を整えることは、自分でも進められます。測る質問が多い場合や、記事を続けて作る場合は、会社に頼むのも1つの方法です。
SEO対策をしていれば、AIO対策はいらない?
いらないとは言えません。SEOで整えたサイトはAIO対策の土台になりますが、検索で上位にあっても、AIの答えには名前が出ないことがあります。AIの答えは、検索の順位とは別に確かめてください。
AIの答えに、必ず事務所の名前が出るようになる?
必ず出るとは限りません。AIの答えはそれぞれのAIが決めるもので、表示を約束できるものではないためです。同じ質問で何回測って何回出たかを見て、施策を続けるかを決めましょう。
どのくらいの期間で効果を確かめればいい?
3か月を1つの区切りにして、始める前と同じ質問・同じ回数で測り直し、変化を見るとよいでしょう。変化が出るまでの期間は、事務所サイトの状態や競合などによって、事務所ごとに違います。
広告の決まりに反していないかは、だれに確かめればいい?
それぞれの士業が所属する会(弁護士会・税理士会・社労士会・司法書士会・行政書士会)に確かめてください。どんな表現を避け、どう言い換えるかは「士業の広告ルールに沿ったAIO対策」で確かめられます。
弁理士や土地家屋調査士など、ほかの士業でもAIO対策はできる?
できます。考え方と進め方は同じで、依頼者が聞くテーマと、その士業の広告の決まりに合わせて進めます。
まとめ
士業事務所のAIO対策は、AIに相談先を尋ねた依頼者に、事務所が正しく紹介されるよう情報を整える取り組みです。
税理士・弁護士・社労士・司法書士・行政書士では、依頼者がAIに聞くテーマも、守るべき広告の決まりも違うため、士業に合わせて事務所サイトの中身と表現を整えます。
進めるときは、3か月を1つの区切りにして、1か月目に現状を測り、2か月目に事務所の情報を整え、3か月目に記事を足して測り直します。
会社に相談するときは、士業の業務への理解・広告の決まりへの配慮・効果の測り方と報告・料金と最低契約期間・今の依頼先との連携の5つを見て選んでください。
監修者:フォワードX株式会社 代表取締役 塩野豪(行政書士。グループ会社に行政書士法人フォワード)
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この記事の執筆・監修
フォワードX株式会社 AIO編集部
AIO・SEO・生成AI領域の専門チームが執筆・監修しています。
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