SEOがうまくいっているのに問い合わせが減る原因は何か?

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「検索順位は上位をキープしているし、アクセスも大きくは落ちていない。それなのに、ここ数か月で問い合わせが減ってきている」。

Webマーケティングに力を入れてきた会社ほど、こうした状況に戸惑っているのではないでしょうか。

SEO担当からは「順位は問題ありません」と報告があり、営業からは「最近、問い合わせが少ない」と言われる。その間で、何から手を付ければよいのか分からなくなっている社長や担当者の方は少なくありません。

ただ、検索順位と問い合わせ数は、そもそも別の数字で動いています。そのため、この記事では、今Webマーケティング業界で何が行っているのか、今後どうなっていくのか解説していきたいと思います。

検索順位が落ちていないのに、問い合わせが減るのはなぜ?

検索順位を維持しているのに問い合わせが減る原因は、検索結果の画面で「クリックされない」ことが増えているためです。
そして、その大きな原因となっているのがAI検索です。

順位と問い合わせは、別々の数字で動いている

問い合わせ数は「流入数×CVR(コンバージョン率)」で決まります。
CVRとは、Webサイトを訪れた人のうち、問い合わせまで進んだ人の割合のことです。

一方、検索順位は「検索結果のどの位置に表示されたか」を表す数字にすぎません。検索1位に表示されていても、検索した人がクリックしなければ、Webサイトへの訪問は生まれず、問い合わせにもつながりません。つまり、順位を維持していることと、問い合わせが取れていることは、まったく別の話となります。

たとえば、サーチコンソールで主要なキーワードを見ると、平均掲載順位も表示回数も前年とほとんど変わらないのに、クリック数だけが減っている、という状態になっていないでしょうか。
このとき、多くの会社が「記事を増やそう」「順位をさらに上げよう」と考えます。ただ、クリックされない原因が順位以外のところにある場合、その努力は問い合わせの回復につながりません。

クリックが減っている大きな原因は、AI検索

今、Google検索すると、検索結果の一番上に「AIによる概要(AI Overviews)」が表示されることが増えています。これは、複数のWebサイトの情報をAIが要約し、検索結果の画面上で答えを示す機能です。

検索した人は、AIの要約を読めば知りたいことが分かるため、Webサイトをクリックせずに検索を終えるようになりました。
Ahrefsが日本の検索データをもとに行った調査では、情報収集型のキーワードでAIによる概要が表示された場合、検索1位のクリック率(CTR)が62.7%低下していました。2025年12月の前回調査では約38%の低下だったため、わずか半年で影響が大きく広がったことになります。

出典: Ahrefs「AI による概要の CTR 低下が半年で加速、日本は検索 1 位でも 62.7% 減に」(2026年6月時点のデータ、2026年7月22日公開)

また、Hakuhodo DY ONEの「AI検索白書2026」(2025年11月調査)では、検索してもWebサイトを訪れない「ゼロクリック」の行動を自覚している人が23.9%、約4人に1人にのぼっています。

出典: Hakuhodo DY ONE「AI検索白書2026」が示すゼロクリックの実態

今、検索で何が起きている?

AI検索の広がりは、Googleの検索結果の中だけにとどまりません。
検索の入口そのものが、従来の検索エンジンからAIへと移り始めています。

Google検索の中に、AIの回答が入ってきた

Googleは2025年9月9日、検索の新しい機能「AIモード」の日本語での提供を始めました。AIモードは、長く複雑な質問にも1回の検索で答え、質問を重ねて深掘りしていける機能です。

これまでは、いくつかのキーワードで検索し、複数のWebサイトを開いて比べるのが当たり前でした。ただ、AIモードでは、その比較の作業をAIが代わりに行い、答えと参考リンクをまとめて示してくれます。そのため、検索した人がWebサイトを一つひとつ訪れる必要が、確実に減ってきています。

出典: Google Japan ブログ「Google 検索における『AI モード』を日本語で提供開始」(2025年9月9日)

ChatGPTやGeminiで調べる人が増えている

Google以外でも、ChatGPTやGeminiで調べものをする人が急速に増えています。サイバーエージェントのGEOラボが2026年2月に全国の10代〜60代の9,278人を対象に行った調査では、検索に生成AIを使っている人は37.0%でした。2025年10月の前回調査では31.1%だったため、わずか4か月で5.9ポイント増えています。

出典: サイバーエージェント GEOラボ「生成AIのユーザー利用実態調査 第三弾」(2026年3月5日公開)

BtoBの情報収集でも、AI検索が使われている

「AIで調べるのは若い個人の話で、法人の取引は関係ない」と考える方もいるかもしれません。ただ、BtoBの分野でもAI検索はすでに広く使われています。

トライベック・ブランド戦略研究所が2026年4月にBtoBの製品・サービスの購入に関わる7,700人を対象に行った調査では、約65%が情報収集にAI検索を利用していました。
そして、日経BPコンサルティングが2025年11月に企業勤務者1,000人を対象に行った調査では、生成AIの利用者のうち75.2%が「何らかの情報収集を生成AIで完結できる」と答えています。

出典: トライベック・ブランド戦略研究所「BtoBサイト調査2026」(2026年7月2日公開)

出典: 日経BPコンサルティング「ビジネスでの生成AI活用調査」(2026年2月16日公開)

AI検索が主流になると、Webマーケティングはどう変わる?

ここまでの数字を見ると、AI検索は一時的な流行ではなく、今後の情報収集の主流になっていく可能性が高いといえます。
そうなったとき、企業のWebマーケティングは大きく変わってきます。

調べる・比べる・選ぶが、AIの中で進むようになる

これまでのBtoBの購買では、検索して複数社のWebサイトを訪れ、比較したうえで問い合わせる、という流れが一般的でした。
一方、AI検索では「調べる」「比べる」「候補を絞る」までが、AIとのやり取りの中で進みます。

サイバーエージェントの同じ調査では、AIにおすすめされた商品やサービスをさらに詳しく検索した人が69.0%、AIのおすすめをきっかけに購入・利用した経験がある人が47.5%でした。つまり、AIからおすすめされた企業だけが、比較の候補として残る時代になりつつあるのです。

順位だけでなく、AIからおすすめされるかが問われる

そのため、これからのWebマーケティングでは、検索順位だけでなく「AIの回答の中に自社が登場するか」が重要となってきます。AIに選択肢として入れられていない企業は、検索1位を取っていても、比較の段階に入ることすらできません。

そして、AIは「どの会社が、どんな顧客に、何を提供しているのか」が具体的に書かれた情報を重要視しています。抽象的なキャッチコピーだけのWebサイトは、AIにとって紹介しにくい会社となってしまいます。

たとえば、AIに「中小企業向けのWebマーケティング支援会社を教えて」と聞くと、多くの場合、3〜5社ほどの会社名が理由とともに挙げられます。

ユーザーはその中から気になる会社を選び、Webサイトを訪れます。つまり、AIの回答に挙がらない会社は、どれだけ良いサービスを持っていても、読者に知られる機会そのものを失ってしまうのです。

それでもSEOが不要になるわけではない

ここで誤解していただきたくないのは、SEOが不要になるわけではないということです。AIはWeb上の情報をもとに回答を作っているため、検索エンジンに正しく評価されるWebサイトであることは、AIに引用されるための前提となります。

また、サイバーエージェントの調査では、AIの回答に表示されるURLをクリックすることが「よくある」「時々ある」人が54.4%いました。AI検索白書でも、AIの回答で足りずに従来の検索をした人が32.8%います。
SEOは「順位を上げる施策」だけでなく、「AIに引用され、AIから選ばれる土台づくり」へと役割が広がっているのです。

AI検索の時代に、問い合わせを取り戻す対策

AI検索が主流になっても、問い合わせを取り戻すことは十分にできます。
ここでは、優先して取り組みたい3つの対策をお伝えします。

対策1:AIが引用しやすい一次情報を載せる

まず取り組みたいのは、自社にしか書けない一次情報をWebサイトに載せることです。AIは、他のWebサイトと同じような一般論よりも、具体的な事実が書かれた情報を引用しやすいためです。

具体的には、次のような情報です。

  • 対応実績:どんな業種・規模の会社を、何社支援してきたか
  • 料金の目安:どのくらいの予算で依頼できるか
  • 対応範囲:どこからどこまでを任せられるか
  • 導入事例:課題、実施内容、成果、期間、費用感

なお、「高品質」「丁寧な対応」といった言葉は、どの会社も使っているため、AIにも読者にも違いとして伝わりません。

対策2:AI経由で来た人を受け止めるサービスページをつくる

次に、サービスページを見直します。

AIの回答から訪れる人は、すでにAIの中で比較を済ませ、「この会社が良さそうだ」と考えて来ています。そのため、最後の決め手となる情報が見つからなければ、そのまま他社へ移ってしまいます。

サービスページでは、冒頭に「どんな会社の、どんな課題を解決するのか」を書き、その後に実績、料金、進め方、よくある質問を並べます。
そして、問い合わせフォームに「課題」「導入希望時期」「予算感」といった項目を設けておくと、営業担当者が初回から具体的な提案をしやすくなります。
弊社の事例では、このように情報設計を見直した結果、商談化率が改善前の約2倍になりました。

また、問い合わせボタンの文言の見直しも必要です。

「お問い合わせ」だけでなく、「課題を相談する」「料金の目安を知る」のように、読者が気軽に押せる表現を用意しておくと、比較を終えて来た人の背中を押しやすくなります。

対策3:社名・サービス名で検索される状態をつくる

最後に、社名やサービス名で検索される「指名検索」を増やすことも重要です。AIからおすすめされた人の多くは、その会社名で改めて検索し、Webサイトを確かめに来るためです。

そのため、自社のWebサイトだけでなく、業界メディアへの寄稿、セミナーへの登壇、取引先の導入事例への掲載など、外部のWebサイトで自社が紹介される機会を増やしていきます。外部での言及が増えるほど、AIは「信頼できる情報源から紹介されている会社」として、自社を選択肢に入れやすくなります。

成果は、どの数字で判断する?

AI検索の時代には、成果を測る数字も変えていく必要があります。アクセス数だけで良し悪しを判断するのは早いです。

順位や流入数だけでなく、AIでの露出と指名検索も見る

AIによる概要やAIモードで情報を得た人は、Webサイトをクリックしないこともあります。そのため、アクセス数が減っていても、AIの回答の中で自社が紹介され、指名検索が増えているのであれば、認知は確実に広がっています。

そこで、これまでの順位や流入数に加えて、AIの回答に自社が登場しているか、社名・サービス名での検索数が増えているか、ChatGPTなどのAIサービスからの訪問があるかを定期的に確認してください。

AIの回答は、質問の仕方や時期によって変わります。
そのため、毎月同じ質問をAIに投げかけ、自社が紹介されたかどうか、どの競合が紹介されたかを記録しておくと、変化をつかみやすくなります。
施策の効果がAIの回答に表れるまでには時間がかかるため、数か月単位で見ていくことが大切です。

問い合わせの質と商談化率まで追う

アクセス数が減っても、問い合わせが増えることは十分にあります。
実際に、検索からの訪問数が912から857へ約6%減った一方で、検索経由の問い合わせが8件から20件へ増えた事例もあります。AI経由で比較を終えて来る人が増えれば、訪問数は少なくても問い合わせにつながる割合は高くなるためです。

そのため、問い合わせ数だけでなく、次の数字も月ごとに記録しておくと安心です。

  • 有効問い合わせ率:問い合わせのうち、営業の対象となるものの割合
  • 商談化率:問い合わせのうち、商談に進んだ割合
  • 受注率:商談のうち、受注に至った割合

よくある質問

最後に、AI検索とSEOについて、社長やマーケティング担当者の方からよくいただく質問にお答えします。

Q. SEOはもうやめてもいいのでしょうか?

SEOはやめるべきではありません。
3章でお伝えしたとおり、AIはWeb上の情報をもとに回答を作っているため、検索エンジンに正しく評価されるWebサイトであることが、AIに引用されるための前提となります。

ただ、SEOの目的は変えていく必要があります。

これまでのように「順位を上げてアクセスを集める」ことだけを目指すのではなく、「AIに引用され、AIから選ばれる情報を整える」ことにも力を入れてください。
そのため、記事の本数を増やすよりも、実績や料金、事例といった一次情報を充実させるほうに予算を振り向けるのが効果的です。

Q. 自社がAIからどう見えているか、どう確かめればいいですか?

まずは、ChatGPTやGemini、GoogleのAIモードに、自社のサービスに関わる質問をしてみてください。その際、一般的な質問と、条件を足した具体的な質問の2種類を試すのがポイントです。

  • 一般的な質問:中小企業におすすめの税理士事務所は?
  • 具体的な質問:東京都で従業員50名程度の製造業に適した税理士事務所は?

自社が回答に出てくるか、出てくるならどう紹介されているか、出てこないならどの競合が紹介されているかを確認します。
そして、あわせてGA4で、chatgpt.com、gemini.google.com、perplexity.aiなどからの訪問がどのくらいあるかも見ておきます。なお、GoogleのAIによる概要やAIモードから来た人は、通常の自然検索の訪問として集計される点に注意してください。

Q. 小さな会社でも、AIからおすすめされるのでしょうか?

会社の規模が小さくても、AIからおすすめされる可能性は十分にあります。
AIは、会社の大きさよりも「質問の条件に合う情報が、具体的に書かれているか」を重要視しているためです。

特に、地域や業種、規模といった条件を足した具体的な質問では、その条件にぴったり合う情報を持っている会社が選ばれやすくなります。
「どの地域の、どんな業種の、どのくらいの規模の会社を支援してきたのか」を自社のWebサイトにはっきり書いておくことが、大手と戦わずにAIから選ばれる近道となります。

まとめ

SEOがうまくいっているのに問い合わせが減る大きな原因は、AI検索の広がりが原因である可能性が高いです。

GoogleのAIによる概要やAIモード、ChatGPTやGeminiなどのAIサービスで答えを得る人が増え、検索順位を維持していてもWebサイトがクリックされにくくなっています。

そして、AI検索は個人だけでなくBtoBの情報収集でも広く使われており、今後の主流になっていく可能性が高いといえます。そうなれば、「調べる・比べる・選ぶ」はAIの中で進み、AIからおすすめされる企業だけが比較の候補に残るようになります。

ただ、SEOが不要になるわけではありません。AIに引用される一次情報を載せ、AI経由で来た人を受け止めるサービスページを整え、指名検索される状態をつくることで、問い合わせは取り戻すことができます。成果は、アクセス数だけでなく、AIでの露出、指名検索、問い合わせの質と商談化率まで見て判断してください。

まずは、AIに自社のサービスに関わる質問をして、自社がどう紹介されているかを確かめるところから始めてみましょう。

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この記事の執筆・監修

フォワードX株式会社 AIO編集部

AIO・SEO・生成AI領域の専門チームが執筆・監修しています。

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